障害科学研究
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知的能力障害のある自閉スペクトラム症生徒における 刺激等価性の枠組みを用いた英単語指導の検討
青木 康彦野呂 文行
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2022 年 46 巻 1 号 p. 51-60

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抄録

中学生段階にあり、知的能力障害のあるASDのある生徒2名を対象として、刺激等価性の枠組みを利用して、英単語指導を行い、派生的関係の成立について検討した。 指導では、英語文字表記カードと日本語文字表記カードの関係を直接指導した。事前事後のテストの際には、排他律の影響を統制するために、指導を行わない刺激も含めていた。その結果、2 名の生徒とも、指導した関係について、5 セッション連続で正答率が100%となった。また、いくつかの派生的関係についても、正答率が上昇した。 しかし、生徒によって、達成基準を満たすまでに必要としたセッション数や派生的関係の成立に違いがみられた。指導を行っていない刺激の関係の正答率について、生徒間において正答率の上昇に違いが見られた。考察では、指導した関係の正答率が達成基準を満たすまでに必要としたセッション数が生徒によって異なった点と指導を行っていない刺激の関係の正答率について議論された。

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