障害科学研究
Online ISSN : 2432-0714
Print ISSN : 1881-5812
展望
注意欠如多動症児の感情制御における実行機能特性に関する研究動向
—HotとCoolな実行機能の関連のスコーピングレビュー—
吉丸 ゆず岡崎 慎治
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2025 年 49 巻 1 号 p. 109-123

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抄録
注意欠如多動症 (ADHD) 児は、動機づけや即時報酬への期待といった感情制御に困難を示しやすいとされる。感情制御の困難には実行機能における問題の関与が指摘されており、認知面 (Cool EF) と情動面 (Hot EF) の実行機能の関連が検討されているが、結論は一致していない。そこで、本レビューではADHDの子どもにおけるHot EFとCool EFの関連について、現在までの研究知見について網羅的に収集、統合するとともに今後の研究に向けた課題を特定することを目的とした。情動が喚起されやすい場面における意思決定課題であるギャンブル課題を扱った8編の論文について、認知機能の要素との関連や分析内容のレビューを行った。ADHD児の感情制御に関連する可能性のある認知機能の要素を示したとともに、ADHD児におけるHot EFとCool EFの関連の検討を展開していくための課題として、児の課題への理解度を考慮した分析や脳機能上の評価の必要性が挙げられた。
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