抄録
本研究では、知的発達症のある自閉スペクトラム症児1名を対象とし、家庭において保護者による継次的刺激ペアリング手続きを用いたひらがな単語の読み指導を⾏い、その獲得・維持・般化に及ぼす効果について検討することを目的とした。研究デザインは、刺激セット間多層プローブデザインを用いた。保護者は、ひらがな単語の読み教材が入ったタブレット端末を持ち帰り、家庭において読み指導を実施した。その結果、対象児は3音節から6音節で構成された、濁音や拗音を含むひらがな単語の読みの正反応率が増加した。さらに指導で使用していないひらがな単語の正反応率も増加し、その効果は指導終了後から1ヶ月から5ヶ月後も維持した。保護者による社会的妥当性の評価の結果から、指導手続きを通して保護者が対象児と楽しく取り組めたことや、指導を通して日常生活の中で⽂字を読む機会が増えたとの評価が得られた。