肩関節
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症例報告
成人の三角筋拘縮症に対して鏡視下手術を行った1例
齋藤 豊岩堀 裕介梶田 幸宏
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2015 年 39 巻 3 号 p. 869-872

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抄録
【はじめに】
 三角筋拘縮症は筋肉内注射により生じる医原性疾患である.今回我々は鏡視下手術を行った成人の三角筋拘縮症を1例経験したので報告する.
【症例】
 42歳,男性.主訴は左肩の凝り.幼少時から左肩関節の内転と水平屈曲制限を自覚していた.40歳頃から肩凝りが悪化し,当院紹介となった.肩関節の可動域(右/左)は,内転0/-20°,内旋T5/T9,水平屈曲120/65°と制限を認めた.左三角筋外側枝後方に索状物を触知した.MRIではT2強調像において三角筋外側枝後方に索状物を認めた.以上より三角筋拘縮症と診断し手術を行った.肩峰下鏡視下に索状物を中心に三角筋外側枝と後枝を肩峰から部分切離した.術直後から肩凝りは消失し,術後13カ月経過時,再発や外転筋力の低下も認めなかった.
【結語】
 比較的軽症の三角筋拘縮症に対する鏡視下三角筋切離術は,低侵襲で早期から可動域訓練を行うことができ,有用であった.
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© 2015 日本肩関節学会
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