2013 年 13 巻 1 号 p. 14-20
ユズシードオイルのキャリアオイルへの応用の目的で研究を行った。試料オイルにはユズシードオイルとスイートアーモンドオイルの種子油を使用した。キャリアオイルに溶解した4種類の精油の放香性について両オイルで定量的比較を行った。その結果,いずれの精油においてもユズシードオイルからの放香性がスイートアーモンドオイルよりも有意に高く,前者の放香性が高いことが明らかになった。次に,キャリアオイルのヒトの肌への評価試験を行った。被験者は20名の健常成人とし,両オイルを各被験者の前腕内側に,0.5 ml ずつ4週間連用した。連用開始前,終了時,連用終了1週後,2週後に,水分蒸散量,角層水分量,メラニン量,肌理について測定した。角層水分量はいずれのオイルにおいても連用中,増加傾向が見られたが連用終了後は低下した。このことは,キャリアオイルによる肌の保湿性の向上は一過性であることを示している。肌のメラニン量は,両オイルとも連用することにより使用前に比べ有意に減少し,その低いレベルは連用終了後少なくとも2週間持続した。さらに,マッシュルーム由来のチロシナーゼ活性の両オイルによる阻害効果が見いだされ,とくにユズシードオイルで高かった。また,チロシナーゼ活性測定において,無極性のオイル試料にも適用可能で新規な分析法を設定した。以上のことから,一般的なスイートアーモンドオイルと同様にユズシードオイルのキャリアオイルへの応用が期待されるとともに,キャリアオイルに美白作用の効果があることが初めて明らかとなった。