本研究では,主観評価と唾液アミラーゼ活性から,精油の嗜好性とその生理反応の相関性を明らかにすることを目的としている。被検者には日常的に精油を使用している女性151名を用いた。被検者にとって元気になる精油とリラックスする精油を30種類の中から選定させ,ストレッサーとして用いた。さらに共分散構造分析を用いて,嗜好性の高い精油の香りに関するストレス反応系を,嗜好性・生理反応双方を考慮した生体モデルとして求めた。その結果,元気になる精油では被検者の嗜好性と生理反応がよく一致した。一方で,リラックスする精油では,嗜好性には影響をもたらしたが,生理反応にはほとんど影響がなかった。この原因としては,精油に対する先入観や,言語概念に対する個人差が嗜好性に反映されたのではないかと考えられた。