2013 年 13 巻 1 号 p. 63-68
ラベンダー精油の香り吸入がストレッチ運動の効果を高めることができるか否かを,二重盲検無作為化比較対照試験により検証した。健常成人34名(男性14名,女性20名)を対象とし,対象者はラベンダー精油の香り吸入とストレッチ運動を実施する群(ラベンダー群)と,水蒸気の吸入とストレッチ運動を実施する群(プラセボ群)に,男女別に無作為に振り分けた。ラベンダー群に対しては,ラベンダー精油を用いた芳香浴を安静臥位の状態で10分間施行した後,下肢のストレッチ運動を実施した。プラセボ群に対しては,水蒸気のみを拡散させた芳香浴を安静臥位の状態で10分間施行した後,下肢のストレッチ運動を実施した。ストレッチ運動の効果判定として,筋の柔軟性の指標である下肢伸展挙上(SLR)角度を計測した。その結果,女性においては,プラセボ群と比較してラベンダー群のSLR角度が有意に向上したが,男性ではラベンダー群とプラセボ群のSLR角度に有意な差は認められなかった。したがって,ラベンダー精油の香り吸入は,女性に関してはストレッチ運動の効果を高めることが示された。