植物のにおいが26名の高齢女性(年齢73~94歳)に及ぼす主観的影響が調べられた。におい物質はオレンジ・スイート(Citrus sinensis),レモン(Citrus limon),ラベンダー(Lavandula oifcinalis),ローズ(Rosa damascena),タイワンヒノキ材油(Chamaecyparis obtusa var. formosana),リモネンおよびα-ピネンとし,水を対照とした。におい物質(25µl あるいは50µl)を脱脂綿のシートに染み込ませ,400ml のポリプロピレン製カップに入れて密封し,20℃において実験前の1晩カップ内で蒸散させた。におい物質を各1回1分間吸入させ,におい強度と主観評価について聞き取った。におい物質への曝露は5分間以上の間隔をおいて行った。主観評価は「快適な‒不快な」「懐かしい‒目新しい」「自然な‒人工的な」「心がゆったりする‒心が刺激される」および「眠くなる感じ‒目が覚める感じ」の5種類について評価した。統計解析はウィルコクソンの符号付順位和検定を用いた。その結果,各におい物質の評価は下記のようになった。オレンジ・スイートは「心がゆったり」し(p<0.05),レモンは「懐かしく」(p<0.05),「目が覚める」(p<0.01)と評価された。ラベンダーは「人工的」で(p<0.05),「目が覚める」(p<0.05)と評価され,ローズは「人工的」で(p<0.05),「心が刺激され」(p<0.05),「目が覚める」(p<0.05)と評価されていた。タイワンヒノキ材油とリモネンは「目が覚める」(p<0.05)と評価され,α-ピネンは「目新しい」(p<0.05)と評価されていた。