日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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シンポジウム
肺ランゲルハンス組織球症の画像診断
酒井 文和
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2009 年 29 巻 1 号 p. 86-87

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抄録

胸郭内ランゲルハンス組織球症23例のCT所見を,retrospectiveに解析した.認められた所見は,5mm以上の肺結節陰影10例,5mm以下の粒状陰影17例,空洞性結節10例,嚢胞性陰影16例などであった.結節や粒状陰影の多くは小葉中心性分布を示した.また結節や粒状陰影の形態は,円形のものは少なく,星芒状あるいは不整形のものが多く見られた.骨病変は1例に,縦隔腫瘤が1例にみられた.縦断的な観察による検討では,結節陰影から空洞性結節,嚢胞陰影の形成が見られ,嚢胞が結節の空洞化の結果生じる機序が推定された.2例で,広範な嚢胞化による高度の肺の構造破壊が見られたが,高度の肺の構造破壊を呈する症例の初診時の画像所見には,大きな特徴はなかった.

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© 2009 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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