本研究は,精油の安全使用に関するアロマテラピー情報を提供することを目的として,光毒性をもつフロクマリンの定量分析を行ったものである。ガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)において,内部標準としてp-クロロベンゾフェノンを使用し,また選択イオンモニタリング(SIM)モードで分析を行った。光毒性をもつソラレン,キサントトキシン,ベルガプテン,イソピムピネリン,そしてクマリン類の一種で光毒性のないオーラプテンの正確な一括分析法を確立するために9種類の質量イオンを選択した。分析した116種類の市販精油のうち,フロクマリンはセリ科およびミカン科の精油試料で,それぞれ4種類,9種類検出された。一方,オーラプテンは6種類のミカン科精油で検出された。