アロマテラピー学雑誌
Online ISSN : 2189-5147
Print ISSN : 1346-3748
ISSN-L : 2189-5147
17 巻, 1 号
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原著論文
  • 武田 ひとみ
    2016 年 17 巻 1 号 p. 24-30
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    目的と方法:成人男女19名を対象とし,芳香環境(Od)やトリートメント(T)後の睡眠時体動記録と睡眠感調査および心拍変動や気分の変化を測定し,アロマテラピーが睡眠に及ぼす影響を調べた。State-Trait Anxiety Inventory-Form JYZにて特性不安と状態不安を,ピッツバーグ睡眠質問票にて睡眠状況を測定した。精油はフロクマリンを除去したCitrus bergamia FCFを1%に希釈し用いた。結果:ピッツバーグ睡眠質問票得点と特性不安との間に有意な相関(r=0.514, p<0.02) がみられ,不安傾向が強いほど睡眠に問題があった。 (T)後に疲労感や自覚的ストレスに有意(p<0.05)な低下が,気力の充実感に有意な増加がみられた。(Od)や(T)後の睡眠効率,睡眠感に改善傾向がみられ,(T)後には疲労感が有意に低下し,それらとLF/HFの変化率の有意な相関から交感神経活動の抑制が推測された。特性不安とLF/HFの変化率に有意な相関があった。以上よりベルガモットを用いたトリートメントは睡眠の質を向上させる可能性が示唆され,その効果は不安傾向の強い人に期待しやすいと推測された。

  • 金子 知生, 大塚 麻衣, 飯田 順一郎
    2016 年 17 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    アロマテラピーの歯科矯正治療に伴う歯痛の緩和効果を評価することを目的とした。

    被験者は歯科矯正治療で上顎左右第一大臼歯の近遠心に歯間離開を行う患者48名(平均26歳5カ月,男性19名,女性29名)とした。最小化法でラベンダー,ペパーミント,プラセボ(精製水)の3群へ割り付けし,歯間離開開始48時間後にアロマテラピーを1時間行った。歯間離開直後,3, 6, 12, 24, 48時間後,アロマテラピー開始30分後,1時間後に自発痛の評価をvisual analogue scale(VAS)で行った。また,歯間離開直後,48時間後,アロマテラピー開始30分後,1時間後に,打診痛のVASによる評価を行った。さらに,アロマテラピー施行中は近赤外線分光法(NIRS)で血中の酸化・還元ヘモグロビン量を1時間観察した。また,アロマテラピー施行前後にProfile of Mood States(POMS)のアンケートを行った。VASとNIRSによる評価によりラベンダー群は最初の30分は歯痛緩和の効果がみられ,ペパーミント群はラベンダー群より効果がみられた。また,POMSの評価は吸入後にすべての項目で減少した。以上よりアロマテラピー吸入法が,歯間離開における歯痛に対する緩和効果をもたらす可能性が示唆された。

  • 沢村 正義, 鈴木 悟, 小原 典子, 佐藤 美夢, 東谷 望史
    2016 年 17 巻 1 号 p. 39-47
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    本研究は,精油の安全使用に関するアロマテラピー情報を提供することを目的として,光毒性をもつフロクマリンの定量分析を行ったものである。ガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)において,内部標準としてp-クロロベンゾフェノンを使用し,また選択イオンモニタリング(SIM)モードで分析を行った。光毒性をもつソラレン,キサントトキシン,ベルガプテン,イソピムピネリン,そしてクマリン類の一種で光毒性のないオーラプテンの正確な一括分析法を確立するために9種類の質量イオンを選択した。分析した116種類の市販精油のうち,フロクマリンはセリ科およびミカン科の精油試料で,それぞれ4種類,9種類検出された。一方,オーラプテンは6種類のミカン科精油で検出された。

研究ノート
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