アロマテラピー学雑誌
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研究ノート
ユズシードオイルおよび各種キャリアオイル中のフラボノイド・リモノイド分析
鈴木 悟吉金 優中島 悦子北川(木下) あゆみ東谷 望史沢村 正義
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2019 年 20 巻 1 号 p. 13-21

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抄録

本研究は,ユズ(Citrus junos Sieb. ex Tanaka)シードオイルおよび市販のキャリアオイル中のフラボノイドおよびリモノイドの分析を主な目的とした。まず,オイル試料からこれらの化合物の抽出方法を設定した。すなわち,オイル試料(5 g)に内部標準としてナリンゲニンを含むメタノール–ジメチルスルホキシド(1 : 1)5 mLを加えて,振とう,遠心分離後,下層を分析に供した。定性・定量分析には高速液体クロマトグラフィーおよび液体クロマトグラフィー–質量分析法を用いた。ユズシードオイル・精製にはフラボノイドは検出されなかったが,リモニン,ノミリン,オバクノンなどのリモノイドがそれぞれ,12.2, 3.6, 21.3 mg/kg検出された。これらの化合物は,実験室で調製したユズシードオイル・クルードにおいて,それぞれ,636, 757, 43.6 mg/kgと高い濃度で存在した。市販の15種類のキャリアオイル中には本実験で分析した20種類のフラボノイドおよびリモノイドは検出されなかった。しかしながら,セサミオイルのみにノミリンとタンゲレチンがそれぞれ,1,290, 155 mg/kg検出された。本分析法を一般油脂にも応用した。

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© 2019 公益社団法人 日本アロマ環境協会
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