抄録
環境負荷低減等を前提とした高速炉燃料サイクルの確立に向けて、有望な候補燃料であるAm含有MOX燃料(以下、Am-MOX)の遠隔製造技術開発が進められている。製造した燃料に含まれるハロゲン元素不純物(フッ素F及び塩素Cl)は腐食性が高く、照射燃料の品質保証の観点から、製造燃料中のハロゲン含有量を制限することが重要である。Am-MOX原料粉末中にハロゲンが含まれる場合、Pu, Uフッ化物に比べて蒸気圧が低いAmF3等が形成され、ペレット焼結時にFが揮発除去されにくくなり、製造燃料中に規定量以上のFが残留することが懸念される。そこで焼結条件の異なるAm-MOXペレット中のハロゲンを分析することにより、Am-MOX中のハロゲン含有量が品質規格(F,Clともに25ppm以下)に適合していることを確認した。試験は固体試料中のハロゲン分析法として確立されている熱加水分解_-_イオンクロマトグラフィー法をAm-MOXに適用することにより行った。その結果、試料中のハロゲン量は25ppm以下であり品質管理上問題のないことを確認した。