抄録
環境と経済性からエネルギー全体を最適化するアプローチにより、環境、経済(エネルギーを含む)および原子力において重要な要素をパラメータとして炭素税、平均発電コストおよび原子力発電量を各地域について評価した。計画経済のもとで2030年頃から本格的に導入されると想定した場合、原子力は、石炭で同じ熱エネルギーを発生した場合の約6GtC分を抑制できる。市場経済の場合には発電コストが安い化石燃料がまず利用され、LWRの拡大も遅延する。また新規技術あるFBRの発電コストが導入当初LWRにくらべ高いと、ウラン資源が不足するまで導入されず、2050年頃の導入となった。この結果、超長期最適化を目指した計画経済であれば2100年の原子力発電は3900GWeであるが、2500GWeまで縮小した。市場経済のもとで原子力は拡大しにくいが、CO2排出量削減に大きな効果があり、長期的な視野に立った世代間の公平が図られるような制度が必要であり、また原子力の役割を持続可能にするにはFBRの発電コスト低減が重要である。