抄録
本研究では、黒沢らが開発したGRAPEをもとに、市場経済に近いモデル(OLG法)を作成し、2つのCO2制約のケース、コストで最小となる最適化な地域で排出量を削減するケース1、先進国に京都議定書の制約とそれ以降10年で5%削減を継続するケース2を比較した。京都議定書を拡張したケース2の場合途上国では2050年まで発電コストの低い石炭発電が利用されるため、LWRの導入が進まず、他方、先進国では排出量を削減するため、原子力の利用が促進され、ウラン資源1500万トンの大半は先進国で利用される。途上国の排出量も削減することが必要となる2050年以降で途上国ではウラン資源およびプルトニウムが不足し、ケース1にくらべ原子力の利用が1/3に低く、2100年の発電コストは2セント/kWh高くなり、地域間のエネルギーコストの違いも拡大する。これを避けるために原子力をクリーン開発メカニズムに加えられるようにし、途上国の原子力利用を促進するべきである。