生物環境調節
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ウズラの光周期-精巣反応における短日の効果
大石 正
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1978 年 16 巻 2 号 p. 35-40

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抄録
鳥類の生殖腺活性が光周期によって支配されていることはよく知られている.ウズラでは, 精巣活性は長日によって刺激され, 短日によって抑制されることが報告されている.しかし, 光周期―生殖腺反応の完全な理解には至っていない.
ウズラを孵化後, 長日 (16L: 8D) あるいは, 常明 (LL) で飼育すると, 約6週間で成熟に達する.そして, 長日あるいは常明で飼育される限り, 成熟状態の精巣を維持することがわかった.すなわち, いわゆるphotorefractorinessを示さない.このウズラを長日条件から短日条件 (8L: 16D) に移すと, 2週間で, 精巣の顕著な退縮が見られた.しかし, 長日処理を行う前に, 6週間かそれ以上の短日処理を与えておくと, 次の短日処理に対して, 精巣は退縮反応を示さなかった.また, ウズラを短日条件下に長期間おいた場合, 精巣が自然に成熟してくる現象が認められた.これらの現象は, 鳥の年齢と関係なく起こるので, 成長期に特有なものではない.
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© 日本生物環境工学会
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