抄録
重水減速型原子炉施設の廃止措置に際しては、多量のコンクリート廃棄物が発生する。コンクリート廃棄物については、含まれているトリチウムを精度よく、合理的な方法で測定する必要がある。しかしながら、従来法によるトリチウムの測定では、コンクリート中からの抽出分離方法によって精度が異なる上、抽出に長い時間を要するなどの課題があり、効率的な測定手法が求められている。そこで、コンクリート試料を水に浸漬させてトリチウムを測定する水浸漬法に着目し、トリチウムの浸出状況、浸漬試料中に残存するトリチウム量について検討を行った。その結果、コンクリート試料を水に浸漬後4時間程度で、測定誤差±20%の精度で効率的に測定できることを確認した。また、本測定法により「ふげん」施設コンクリート中のトリチウム濃度を測定した。