抄録
一般に計算コードの正確さは体系の形状や組成に依存する。フラックスや断面積の空間的変化が大きい体系ではコード間での計算結果の相違は顕著になると予想されるが、このような場合の計算コードの精度は必ずしも明らかにはなっていない。このため、本研究では鉄_-_ポリエチレンからなる遮蔽体を用いて中性子ストリーミング実験及び各種遮蔽計算コードによる解析を行い計算コードの特徴・精度を検証した。
実験は鉄(5枚)及びポリエチレン(3枚)の5cm厚板を積み上げ、5cm×20cm径の長方形断面2回屈曲ダクトを有する遮蔽体を構成した。線源としては252Cfを用い、バブルディテクタによりダクト内中性子線量を測定した。
モンテカルロ計算は実験結果とよく一致し、フラックス等の極端な変化がある体系においても有効なことを確認した。モンテカルロ法の高速化及び簡易計算の高精度化に関して今後更なる検討を実施していく予定である。