抄録
厚さ 150 cm までの遮蔽壁において適用可能な円筒形遮蔽欠損部内の中性子及びガンマ線量簡易計算法を開発した。これを行うため円筒ダクト欠損部内の線量分布を MCNP モンテカルロ計算コードにより計算し、以下のパラメータに対しデータベースを作成した。線源は核分裂中性子、中速中性子、熱中性子及び 1.25 MeV のガンマ線で0から60度の範囲で遮蔽壁に平行入射する。ダクトの口径は5から40 cm の間で選択した。遮蔽壁は厚さ 150 cm の普通コンクリートである。ダクトが線源に対し背面側に有る場合、ダクトまでの遮蔽壁の厚さは 50, 75 及び150 cm である。欠損部内の線量計算方法は欠損部がない場合の透過線量とデータベースの数値を内挿して求めるものである。また、同手法を適用することにより2回屈曲円筒ダクトの第3脚目のストリーミング線量簡易計算手法の改良を行い、よい結果を得た。