抄録
シリカガラスのイオン照射による欠陥の生成過程を理解するために、イオン照射誘起発光の測定を行った。照射初期には原子はじき出し効果によって酸素欠陥が増加するが、更に照射を続けると、注入水素の結合や欠陥の複合化が起こることが示された。また照射後の試料の赤外、紫外可視光吸収測定からOH基の増加、B2センター、E'センターの増加が観測された。これらの結果から、イオンの原子はじき出し効果によってSiとO原子間の結合が切れ、E'センター等の他の欠陥が生成したり、水素原子が結合していることが裏付けられた。