抄録
既に公開した重イオン入射による厚いターゲットからの二次中性子スペクトルの系統的な実験データについて,中性子検出器の検出効率を最新の計算コードの結果で改訂し,実験データを再評価した。また,核子当たり400MeVの炭素イオン及び800MeVの珪素イオンビームを利用し,厚い炭素ターゲットからの二次中性子スペクトルデータを新たに取得した。これら全ての実験データを,汎用重イオン輸送コードPHITSによる計算結果と比較した。その結果,PHITSが広いエネルギー領域において,重イオン入射による二次中性子スペクトルを適切に再現可能であることが検証された。