抄録
光ファイバセンサは従来の電子センサと異なり、機器の歪みや振動、温度などの多点計測や空間的に連続した高速で高精度の計測が可能などの特長があり、原子炉配管等へ設置した基礎的な研究が行われてきた。本研究では代表的なFBG(Fiber Bragg Grating)方式ファイバセンサの限界を超す特性を実現して高速増殖炉や配管の神経網としての利用を可能とするため、まず超短パルスレーザを用いたFBGセンサの試作実験を行って600℃を超す高温動作を確認した。また、新規なOTDR(光時間領域)方式測定器を開発して、歪み率と温度を分離した高精度測定法の実験、センサ数の1000点以上への増大、1ms以下での高速測定、などを実現した。また、本FBGセンサへのγ線照射実験により高放射能環境での使用可能性を見出した。