抄録
シビアアクシデント時に損傷炉心から放出されたヨウ素は、冷却系内では主にCsIとして移行し、格納容器ではエアロゾルとなって沈降・水溶する。格納容器の漏洩や破損の際には浮遊していたエアロゾル(粒子状ヨウ素)が放出される他、水中の放射線反応で生じるガス状のI2や有機ヨウ素も放出され得る。大気サンプルのモニタリング結果で、ヨウ素は粒子状とガス状が同程度検出されており、格納容器内で生成するガス状ヨウ素が寄与した可能性がある。そこで、JAEAで開発した格納容器内ヨウ素化学解析コードKicheにより2号炉について検討した。タービン建屋で見つかった水のヨウ素濃度を参考に、格納容器内の水中におけるヨウ素化学反応を考慮して、環境への積算放出量を求めた。