抄録
原子炉圧力容器鋼の溶接熱影響部(HAZ)に対する監視試験片の必要性判断に資するため、原子力機構にて開発してきた確率論的破壊力学解析コードPASCAL3に、多層盛溶接によるHAZの非均質性な材料特性分布や、HAZ組織ごとの破壊靱性のばらつき等を考慮可能な確率論的構造健全性評価手法を導入した。前報までに報告した母材及びHAZ組織ごとの中性子照射前後の材料特性試験結果を基に感度解析を行い、母材に比べて低靭性な組織が連続して存在する場合、その領域の破壊確率は母材に比べて高くなる等の知見が得られた。