抄録
国内外の加圧水型原子炉では、原子炉容器上蓋貫通部やホットレグ等のNi基合金溶接部において一次冷却水応力腐食割れ(PWSCC)が多数発生し、沸騰水型原子炉でもシュラウドサポート等のNi基合金においてSCC(NiSCC)が発見されている。これらのSCC発生時間や進展速度は大きくばらつくため、合理的に構造健全性を評価するためには確率論的破壊力学(PFM)が有用である。このため原子力機構では、Ni基合金及びその溶接部の破損確率を解析するPASCAL-NP(PFM Analysis of Structural Components in Aging LWR - NiSCC / PWSCC)コードの開発を進めてきた。本報では、米国Davis-Besse原子炉容器上蓋におけるPWSCC損傷事例を取上げ、有限要素法による溶接残留応力解析結果を基にPASCAL-NPを用いて実施した破損確率解析結果を述べる。