抄録
核融合炉増殖材候補でもある三元素系リチウム酸化物に対する高速荷電粒子による照射効果の研究は少ない。本研究ではLiTaO3単結晶に対してkeVまたはMeVのエネルギー1x1017/m2~1x1022/m2で、H、O等のイオンを照射し、高速イオンビーム分析及び光学的手法を用いてその場測定を行った。フォトルミネッセンスで測定される深さはおよそ1μmと見積もられ、入射イオンのイオン種と飛程を変化させることで、核的・電子的エネルギー付与の違いによる欠陥生成の影響を知ることができる。さらに、試料温度を液体窒素温度から室温まで変化させ、欠陥の回復挙動を調べた。LiTaO3単結晶では電子的エネルギー付与が欠陥生成に影響を及ぼしている可能性がある。核的衝突に比べて電子励起による欠陥の方が回復温度は高い。