抄録
原子力発電が世界的に拡大する中で、ウラン有効利用の必要性が高まっている。そこで、増殖性に優れる金属燃料を使用し、劣化ウランから燃料生成と燃焼を行うことで、60年間燃料交換なしで連続運転を行う高速炉炉心概念を開発している。本炉心概念では、200GWd/tを越える超高燃焼度化により、冷却材反応度係数の大幅な増大やドップラー反応度係数絶対値の低下が生じるため、本来負であるべき反応度フィードバックが正となる課題がある。そこで、反応度フィードバックを負とするため、温度上昇に伴うナトリウム密度変化や中性子スペクトルシフトを活用する方策について検討した結果を報告する。