抄録
三菱重工業とJAEAは、中長期に渡る小型原子炉の潜在的市場をターゲットとして、実用高温ガス炉の設計研究を共同で実施中である。小型原子炉の市場は少ない投資の利点を考慮し、一般産業用熱供給やIPP(独立系発電事業)等の分野で拡大が期待される。特に、R&Dを最小限に抑えた低建設単価及び短い建設期間を達成することは、小型高温ガス炉市場の実現に非常に重要である。本設計研究では、上記の実用化炉基本思想に基づき、一連の実用高温ガス炉の開発構想、プラント概念の構築を実施した。その中で、高温ガス炉で懸念される水浸入事故に対する耐性を有し、かつ高い経済性を有する動力変換システムの概念について検討した。本論文では、検討結果の概要と動力変換システムの構成及び仕様の概要について報告する。