抄録
東日本大震災で被災した福島第一原子力発電所では作業員の放射線被ばくリスクの高い環境での画像監視や放射線測定にクローラ型の小型ロボットが用いられている。クローラ型ロボットは一般的に不整地移動に適しているとされ、実際段差220mm程度の階段を昇降し成果を上げている。一方でガレキのあるルートを回避するなど移動困難な領域も存在している。本発表では、原子炉建屋内調査等で要求される自動機・ロボット等のスペックについて踏破可能段差、可搬重量などに着目して整理する。さらに、その要求に対応可能なロボットとして4脚ロボットの概念を説明し、今回バッテリ駆動にて移動速度1km/hの歩行を実現した自重63kgのハードウェアの機構部および制御電装部の構成とその小型化について報告する。