抄録
「常陽」に対して評価された炉心損傷カテゴリーのうち、リスク評価上の重要度が大きいと評価されたUTOP(Unprotected Transient Overpower)事象について、炉心損傷の事象推移を評価した。この結果、過出力条件下で炉心の少数燃料集合体において燃料破損が生じると、破損後の燃料の軸方向移動によって出力は低下し、初期過程では出力バーストを生じ難いことを確認した。また、破損燃料集合体を起点として損傷部分が徐々に拡大してゆくモードとなり、損傷拡大の過程で溶融炉心物質が炉心周辺へと流出するため、この過程においても厳しい出力バーストには至りにくいとの結果を得た。さらに、厳しい出力バーストに至ったとしても、発生する機械的エネルギーは、「常陽」の仮想事故で想定している機械的エネルギーを下回る結果を得た。