抄録
気液の電気抵抗率の差を利用した定電流法は,他のボイド率計測法よりも容易に高時間分解能での体積ボイド計測を行うことができる.しかし,計測より得られた電気信号からボイド率へ換算する際に気液の断面積比が計測電極間で連続であることを仮定しているため,定電流法は主に環状流に応用されており,気液断面積比が流動方向に不連続である分散気泡流には適用されなかった.本研究では,電気信号からボイド率に換算する手法としてMaxwellの理論と分極法を応用し,定電流法による分散気泡流のボイド率計測を可能にすることを目的とする.また流動構造や気泡径,気泡形状に対する計測確度への影響についても議論した.その結果,気泡流やフロス流において従来の方法よりもMaxwellの理論や分極法によって、より正確にボイド率を見積もることができた.加えて気泡形状の変化と定電流法で見積もられたボイド率の変動に相関があることが示唆された.