抄録
核融合炉に燃料として導入された水素同位体のほとんどは、プラズマ中で燃焼せずそのまま排気される。そのため水素同位体の燃料リサイクリングの観点から核融合炉の確立にむけ、水素同位体の回収・精製効率に関して詳細に議論する必要がある。当研究室では、実験室規模の知見から実機における水素同位体の移行挙動を明らかにするために、水素同位体ダイナミックス解明装置(EXPRESS)を設計・作成している。本研究では、プラズマ曝露部より排気された重水素ガスを回収、加熱した水素吸蔵合金(ST2002)を用いた重水素ガスの一次純化、Pd膜水素高純度精製装置による一次純化重水素ガスのさらなる高純化、水素吸蔵合金(ZrCo)による貯蔵、という一連の処置を行う装置を作成し、その装置の重水素純化の効率を測定し、重水素回収に及ぼす不純物影響に関して議論を行う。