抄録
血糖自己測定(Self-monitoring of Blood Glucose : SMBG)により日々変化する生活の中で変動する血糖値を患者自身が知ることは食事療法や運動療法の効果を客観的な指標により自覚でき、治療意欲を高めるためにも重要といわれる。SMBGの意義は無自覚性低血糖症の増加に伴う低血糖から生じる危険性の回避や強化インスリン療法を実施する上での必要性など多くの医療従事者が知るところである。実際、継続してSMBGを行うためにはその必要性を患者本人がよく認識し、納得した上での実行でなくては長続きしない。糖尿病療養指導士(CDEJ)として患者の糖尿病管理能力を引き出すためのアプローチ、つまり医療に参画するためのエンパワーメントをどう与えてゆくかが重要なポイントとなる。一方、血糖モニタリングに不可欠なSMBG機器・センサーの改良や開発の進歩は目覚しく、現在、新旧併せて25種類以上の特徴をもった機器が活用されている。患者が機器を選択する際、どの機種が適するか、あるいはどこで求めたらよいかなど具体的に質問を受けることも少なくない。CDEJは機器の特徴をよく理解し、年齢・性別・職業・視力、及び理解力など患者の背景を総合的に判断してどの機器が最もその患者に適しているか説明し、患者にとって有用となる情報の提供が重要である。機器の精確性については「JDS糖尿病関連検査の標準化に関する委員会」と「JSCC血糖自己測定の標準化プロジェクト」が主要なSMBG機器を用いてボランティアを対象に行った共同実験の結果を詳解するとともに、機種間差の存在に対する是正のあり方についても述べてみたい。また、実際のSMBG指導については我々が現在行っている方式や手順についてその一端を私見を交えながら解説する。