糖尿病学の進歩プログラム・講演要旨
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セッションID: DS-2-7
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シンポジウム:糖尿病血管合併症の分子機構と新たな治療法の開発を目指して
血管障害-1:AGE受容体と糖尿病性血管障害
*小山 英則山本 博西沢 良記
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抄録
血管障害は糖尿病患者の予後を規定する重要な合併症である。近年、糖化蛋白(advanced glycation endproduct: AGE)とその受容体(receptor for AGE, RAGE)が糖尿病性血管障害に関与することが明らかになってきている。糖尿病患者の動脈硬化病変部位にはAGE、RAGEとも増加しており、RAGEが糖尿病性動脈硬化の進展に関与することも報告されている。近年RAGEトランスジェニックマウス、RAGEノックアウトマウスが開発され、糖尿病性血管障害におけるAGE-RAGEの詳細な解析が可能になってきている。特に糖尿病性微小血管障害の一つである腎症の進展にRAGEが関与することが最近明らかにされた。糖尿病性大血管障害は複数の病態が複合して引き起こされると考えられる。動脈の閉塞・狭窄に関与する動脈粥状硬化、硬化性変化(stiffness)いずれも糖尿病患者で亢進することが知られている。最近糖尿病状態では末梢虚血組織における側副血管形成も低下していることが報告され、虚血の重症化に関与すると考えられる。我々はRAGEが糖尿病性血管形成障害に深く関与することを見出している。一方、RAGEのspliced variantとして同定された分泌型RAGE (esRAGE)はRAGEの作用に拮抗し、ヒト血中にも検出されることが明らかになった。糖尿病患者では血中esRAGEが低下しており、また頚動脈硬化と負の相関を示すことから、糖尿病性血管障害の進展を抑制する可能性がある。このようにAGE-RAGE及びesRAGEは糖尿病性血管障害の病態に深く関与し、本病態を制御する上で有用な標的分子となりうる。
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© 2005 日本糖尿病学会
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