糖尿病学の進歩プログラム・講演要旨
糖尿病学の進歩プログラム・講演要旨
セッションID: DS-2-8
会議情報

シンポジウム:糖尿病血管合併症の分子機構と新たな治療法の開発を目指して
血管障害-2:糖尿病状態における催動脈硬化因子の定量的評価-NEMOes法を用いたin vivoでの検討-
*綿田 裕孝東 浩介河盛 隆造
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
動脈硬化進展の初期過程には、血管内皮障害に起因する単球の内皮への接着が重要な役割をはたし、その後に引き続いて起こる、単球の内皮下への進入、マクロファージ及び泡沫化細胞への分化に必須であると考えられている。我々はこの動脈硬化進展過程における極めて重要なステップに注目し、in vivoでの定量的評価法の確立に成功した。我々はこの方法をNEMOes(New En face Method for Optimal observation of endothelial surface)と名づけ、現在我々の実験室における動脈硬化定量評価法のgeneral strategyとして用いている。NEMOes確立における基本的コンセプトは検体作成時に不可避な人為的影響を極力排し、安定した定量的評価を可能とすることにある。その方法を簡潔にまとめると、対象個体を脱血/固定し血管を摘出/染色した上で管腔を切り開き、光学顕微鏡によって内腔面像を撮影することにより、電顕とは違い、通常の免疫組織染色手技をそのまま流用して、簡便に血管内皮細胞や接着細胞を免疫染色でき、また、蛍光色素の退色に悩まされる共焦点顕微鏡と異なり、広範な領域を一度に観察できることが特徴である。結果として、種々の因子が生理的環境の血管内皮細胞にどのように影響するかを客観的に評価することが可能になった。我々はすでに、NEMOesを用いて、動脈硬化好発部位である血管分岐部の内皮細胞には非分岐部に比べてより多数のマクロファージが接着し、細胞周期が亢進することを見出した。そして糖尿病の動脈硬化発症に重要な役割を果たすとされるAGE(Advenced Glycation End product)の投与により本現象が血管非分岐部でも見られるようになることを示し、AGEが大血管症発症に関与しうることを報告している(Azuma, et al BBRC 2003)。本シンポジウムでは、NEMOesを用いた糖尿病状態における催動脈硬化因子の定量的評価の結果を踏まえて、動脈硬化予防の観点から、どのような糖尿病治療が望ましいかを提案したい。
著者関連情報
© 2005 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top