糖尿病学の進歩プログラム・講演要旨
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セッションID: BS-3-5
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シンポジウム:糖尿病の民間療法にいかに対処していくか
栄養士の立場から見た民間療法
*川下 祐喜子
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抄録
今回、当院の糖尿病センターに通院中の糖尿病患者に、民間療法(病院の治療以外に糖尿病に良いと世間でいわれていること)に関するアンケート調査を実施した。調査から1ヶ月経った現在まで集計したところ、全体の約2割が民間療法を今現在行っており、約2割が過去に経験があり、約6割がまったく試したことがないことがわかった。日々の栄養指導の中で、糖尿病に良いと思って使用している食品の話をよく耳にするにもかかわらず、約半数以上が民間療法をまったく試したことがないとは少々意外な結果であった。主治医が現在・過去において民間療法を行っていることを知っているかという質問では、「知らない」が全体の約8割を占めており、主治医に話していない理由は「特に話す必要がないと思った」「効果があらわれてから話すつもりでいた」が約9割を占めていた。ここまでの傾向から考えられることは、ひとつは民間療法の枠に入る食品やその使用方法の認識が、療養指導者と患者の間でズレがあるのではないかということ。もうひとつは、療養指導者側から民間療法の話題に触れて、経験の有無の確認や、経験者からは種類・使用方法の聞き取りを行うなど実態の把握が重要ではないかということである。これからは、民間療法といえども、患者が注目している品の情報をいち早く収集して、正しい選び方や使用方法について患者に情報提供し、患者自身が納得のいく食事療法を進めていけるようサポートしていく必要がある。
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© 2005 日本糖尿病学会
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