糖尿病学の進歩プログラム・講演要旨
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セッションID: BS-3-4
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シンポジウム:糖尿病の民間療法にいかに対処していくか
薬剤師と民間療法
*中野 玲子
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抄録
 現在のように「マスメディア」が私達の生活に大きく関与していくなか、健康食品、健康茶などが注目されブームなっていることはいうまでもない。その中でも生活習慣病、特に糖尿病に関連したものが非常に多く見かけられる。糖尿病は患者自身が血糖をはじめとした自己管理を行なっていることから、病院での治療以外に日常生活で容易に入手出来る民間療法に興味を抱き、試したい気持ちも理解出来る。しかし、容易に入手できる割には危険なものもあり、実際に中国から個人輸入した薬を服用し、低血糖を起こして死亡した事例も報告されている。このような危険を回避するためにも、薬剤師は民間療法を適切なものへと指導していく役割を果たす必要がある。そのためには、患者が実施している民間療法を医療従事者に気軽に相談できる環境を作ることが重要である。 当院では糖尿病教室を利用し、薬剤師が民間療法に関する利点・欠点などを定期的に患者に講義し、服薬指導の中で個別に民間療法の聞き取りや調査も行なっている。それによると民間療法を行なっている患者の大多数は血糖値に影響を及ぼしてはいないようだったが、成分を気にせずに多くは使用していた。個々の商品につき成分の調査を行なったが、不明な点も多く、製造元に問い合わせると成分は開示できないとの回答や、資料請求をしても資料が届かない場合もあった。 院外処方率が進んでいる中、外来患者に対して病院薬剤師が指導をする機会が少なくなっている。そこで、我々は近隣の開局薬局と勉強会を開催し、民間療法は医師に相談してから始めるなど、お互いの患者指導に共通点を持たすようにしている。また、院内のロビーに民間療法に関する自作パンフレットを置き注意を促している。このような活動によって、実際に海外で購入した民間薬で予想外に血糖が下がり、低血糖につながる可能性があるため、すぐに服用を中止してもらった症例もあった。 容易に血糖を下げたいなどと考えて民間療法を開始する患者に対し、民間療法は危険が伴うこともあり得ることを伝えるように、我々薬剤師は患者が気軽に相談できる環境作りに注力する必要があると考える。
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© 2005 日本糖尿病学会
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