糖尿病学の進歩プログラム・講演要旨
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セッションID: CL-17
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レクチャー:糖尿病療養指導に必要な知識(3)
劇症1型糖尿病
*今川 彰久
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抄録
2000年に著者らが報告した劇症1型糖尿病は、ケトーシスを伴って発症する日本人1型糖尿病の15-20%をしめ、糖尿病関連抗体陰性、ケトアシドーシスを伴って非常に急激に発症、発症時に著明な高血糖を認めるにもかかわらず、HbA1cは正常または軽度上昇、発症時に既に内因性インスリン分泌は枯渇、発症時に血中膵外分泌酵素が上昇といった臨床的特徴を有する疾患である。さらに、日本糖尿病学会による全国調査により、高頻度の先行症状、高頻度の妊娠合併、HLA-DR4との関連といった新たな特徴が明らかになった。そのβ細胞傷害機構は不明であるが、ウイルス感染の関与が示唆されている。
 また、疫学調査結果に基づき、劇症1型糖尿病を見落とさないための新しい「スクリーニング基準」と、劇症1型糖尿病を確実に診断するための「診断基準」が作成された。すべての医療関係者は、糖尿病の中にこのような急激な経過をたどるサブタイプが存在することを認識し、1)糖尿病症状発現後1週間前後以内でケトーシスあるいはケトアシドーシスに陥っており、かつ、2)初診時の(随時)血糖値が288mg/dl (16.0mmol/l) 以上である症例については、劇症1型糖尿病を強く疑い、直ちに精査加療を行う必要がある。
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© 2005 日本糖尿病学会
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