抄録
二次性糖尿病をきたす内分泌疾患の中で代表的な疾患としてクッシング症候群と先端巨大症があげられる。これらは疾患群による糖尿病の原因ししてインスリン抵抗性がある。次いで代謝の亢進から耐糖能異常をきたしやすい疾患群として甲状腺機能亢進症や褐色細胞腫がある。これら疾患群はそれぞれの疾患の原因を取り除けば糖尿病も改善する。一方小児科領域からでは、視床下部性肥満からの耐糖能異常をきたすものとしてPrader -Willi症候群などがあり、さらに婦人科領域からは多発性卵胞症候群(PCOS)が問題となる。これら疾患群はコンプライアンスの問題もあり、治療に抵抗性を示すことが多い。また基本的には内分泌領域外だがステロイド治療による医原性クッシング様症候群は、インスリン療法の適応となり、症例数の点からも無視できない。これら古典的な疾患群は最近診断基準や新しく概念が変わったものもあり、さらに最近話題になっている疾患群についても現況を報告する。