2023 年 48 巻 p. 27-43
本論では、日本のA市において出産・育児をしたいと考えるレズビアン・バイセクシュアル女性をはじめとする性的少数者が、主に2000年代以降、どのようにして自助グループ「新しいかぞくのカタチ(仮名)」 を形成していったのかを、団体代表のサクラ(仮名) さんの視点から分析する。サクラさんは自分の定位家族との折り合いが悪い中、ある日本人レズビアンが第三者からの精子提供によって子どもを産んだことをインターネット上で知り、自分も子どもが欲しいという思いを強め、同様の思いのレズビアン・バイセクシュアル女性とのつながりを形成していった。結論として、性的少数者であり、かつ子どもが欲しいという状況に対して、「新しいかぞくのカタチ」は、当事者たちが自ら情報収集を行い互いを支援するという、自助グループとしての重要な機能を果たしていることが分かった。