2023 年 48 巻 p. 45-57
質問紙調査において、調査対象者が回答として報告しうる経験の種類や幅は、回答のための選択肢を設定する調査者によって規定される。したがって調査結果として得られた「実態」には、調査者の抱く調査対象者についての想定があらわれている。質問紙調査のそのような特徴を念頭に置いたとき、質問紙調査によって把握された性的マイノリティとその家族の「実態」は、どのように解釈する必要があると考えられるだろうか。 シンポジウムの4 報告をもとに、「実態」の解釈における留意点を具体的に検討するとともに、性的マイノリティとその家族の経験を大規模調査によって把握する上での今後の課題についても言及した。