家族研究年報
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シンポジウム報告
家庭教育は社会にどのように接続されるべきか
──二つの報告において前提とされている規範に着目して──
知念 渉
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2026 年 51 巻 p. 37-45

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抄録
 本稿では、戸髙南帆氏と林明子氏の両報告に対して、両者が前提にしている諸規範を抽出し、その相互関係を検討することを提案する。両氏の報告から筆者は三つの規範を抽出した。「すべての保護者が安心して子育てできるように支援がなされるべきだ」という規範Ⅰ、「(学校では)多様な家族への配慮がなされるべきだ」という規範Ⅱ、「『家庭の仕事(Housework)』は、誰でもできるようになるべきだ」という規範Ⅲである。これら三つの規範の関係は、互いに相補的でもあるが、同時に葛藤的側面も抱えている。家庭への支援が学力や進路に焦点に当てられがちであるという点では規範Ⅰと規範Ⅱは葛藤し、その支援に「家庭の仕事(Housework)」が含まれにくいという点で規範Ⅰと規範Ⅲは対立する。また、保守的な価値を抱く保護者や家庭を想定すれば、規範Ⅱと規範Ⅲも葛藤するだろう。ときには、自らの抱いている規範的前提について考察することも重要ではないだろうか。
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