2013 年 24 巻 1 号 p. 15-26
家計消費の拡大は,中国経済の長期的・持続的な発展にとっても,社会主義「和 諧社会(各階層間で調和のとれた社会)」建設の推進にとっても,あるいは経済発 展方式の転換という目標の実現にとっても重要な戦略的意義をもっており,今回の 金融危機後の国際環境や国内経済の構造転換がいずれもこの点を実証した。しかし ながら,長期に渡って形成されてきた,消費成長を抑制する体制メカニズム的な各 種の要素が存在し,また足枷となるような各種要因も絡み合っているため,家計消 費の拡大には尚も困難な努力が必要とされる。そこで私たちは,家計消費拡大は所 得分配体制の健全化,社会需給環境の万全化,政府統制の強化などの面から着手す べきだと考える。