農業気象
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ビニールハウス内の気温の測定法について
昼間の場合
北村 一男大内 良実
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1971 年 27 巻 2 号 p. 37-44

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抄録
昭和45年12月17日・18日に埼玉園試内のパイプハウスで各種の放射除を使用してハウス内気温を観測し, その結果を用いて, 放射除の熱収支解析を行なつた。
1) 観測した示度の大きさの順は
アスマン通風温度計<アルミ円筒内熱電対
<放射除なし温度計<竹の放射除≒アルミ箔カップであつた。
2) 放射除のない場合の熱収支各項の値については, 短波放射の項と熱伝達の項が大きい。棒状温度計では長波放射の項と溜る熱の項が大きいこともある。熱電対では長波と溜る熱の項は常に小さい。
3) アルミ円筒の熱収支各項の値については, 短波放射の項が最も大きく, 換気による項が続いている。熱伝達による項は換気による項よりすこし小さい。長波放射による項は小さい。溜る熱の項は無視できる位小さい。
4) 放射除のない温度計の温度およびアルミ円筒内気温を計算した結果, ハウス内気温に一番近いのはアルミ円筒内気温で, 放射除なしの熱電対がこれにつぎ, 放射除なしの棒状温度計が最も変動が大きい。
5) アルミ円筒内温度計の温度はアルミ円筒内気温より常に高い。そのため, 周囲温度が低い時にはアルミ円筒内の温度計の示度の方が放射除のない温度計の示度より高くなる。
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