抄録
果樹の水分動態の理解を一層深めるために, ヒートパルス法と茎熱収支法を併用して, リンゴ樹(cv. Splendor)の根, 幹および枝条における蒸散流の日変化を調べた。日の出後の蒸散流の上昇は, 根と幹内の間でほぼ同時に生じ, タイムラグはほとんど認められなかった。これに対し根・幹と枝条の間では約30分のタイムラグが認められた。本実験と既往の研究とから, リンゴ樹体の貯水組織は枝を含む樹冠であることが示唆された。上記2種類の蒸散流測定法の併用は果樹の水分動態研究に有効であることがわかった。