抄録
私たちは、地域の対話型日本語活動を通して外国出身者との学びを楽しんできた。多様な言葉・文化の中に共通点を見つけた時は素直に嬉しいものである。同じってうれしい!から出発すると、違いはとても楽しいものだった。一方、ここで出会う外国出身者は、日本語が話せる人もそうでない人も、日本社会に合わせようと努力しているせいか自分らしさを抑え込んでいるようで本来の力を十分発揮できていない。
さらに日本社会を見ると、多文化共生が唱えられて久しいにもかかわらず、外国人と日本人が触れ合う機会さえ少ないため隣人としての理解が進まない。そうした中、外国人自身の力を生かして多言語活動を楽しむことで互いの距離を縮めるのに役立てたい。
本稿では、そうした思いから、多言語おはなし会と日常の多言語活動の実践を紹介し、外国出身者のエンパワーメント、日本人側の理解、地域社会への働きかけを軸に、その双方向の作用を考察していく。