抄録
背景: 生殖年齢層にあるHIV感染者の増加に伴い, 男性感染者とHIV感染していない妻からの挙児希望が増加している.
方法: 1.挙児希望者の希望・意識調査. 2.医学, 法律, 倫理及び人権問題の専門家と患者から構成されるメンバーにより, 倫理・社会的問題点の検討.
結果・結論: HIV陽性男性とHIV陰性配偶者の中には, 夫婦間HIV感染リスクの有無に関わらず, 強い挙児希望を示す夫婦がいる. しかし現時点では, 精液中のウイルスを完全に除去することはできない. AIH臨床応用の条件として, 医学的, 倫理・社会的な検討課題が多数残されている.