抄録
BPCSステガノグラフィでは, 秘密データの埋め込み位置は複雑さと呼ばれる尺度により決定されるが, コンジュゲートと呼ばれる演算の有無を表すコンジュゲーションフラグは固定領域にしか埋め込むことができない. この埋め込み方法では, 視覚的アタックに対して脆弱である. 本稿では, コンジュゲーションフラグを埋め込み用二値パターンに含ませる方法を提案する. 具体的には, 埋め込み用二値パターン中に, そのパターンの複雑さにより機能が変化するビットを定義し, (秘密情報), (コンジュゲーションフラグ), または(複雑さ調整)の機能を持たせる. これにより, 二つの情報を閾値処理で埋め込むことができ, 視覚的アタックに対してロバストである.