抄録
酸性電解水のバラ切り花に対する鮮度保持効果について検討した。試験対象は5本のバラ(コルベット種)を1セットとし、新鮮重、吸水量、花径、開花度を指標として、試験水(水道水、酸性電解水、アルカリ性電解水、鮮度保持剤)の影響を10日~14日間に亘って観察した。
その結果、酸性電解水(pH 3.5、有効塩素濃度20 ppm)は、各観察項目において水道水より良好で鮮度保持剤(市販延命剤)と同等の効果を示したが、吸水量のみ顕著に増大した。しかし、酸性電解水に糖(スクロース)を2%添加することによって吸水量を鮮度保持剤と同等のレベルに維持でき、開花度も鮮度保持剤と同等の13日間となり、鮮度保持効果(花もち延長)が認められた。また、簡易な花の延命剤として利用価値が高いと判断された。