抄録
仮想空間内のキャラクタ・エージェントに自律的に把持動作を行わせるためには,把持動作を行う前に物体のどの部分を把持するかを決定する必要があり,そのためには形状を認識して把持可能な部分を検出しなければならない.しかし,一つの物体に対して非常に多くの把持方法が可能な場合があるため,その選択は容易ではない.そこで,本稿では,物体中の把持可能な部分を検出して把持のシミュレーションを行い,その安定性を基準として把持位置を評価することで,最適な把持位置を決定する手法を提案する.把持姿勢はニューラル・ネットワークを用いて学習を行うことによって推定し,限界外力空間を計算することで安定性を評価する.